イライラやむくみ、眠気、便秘……生理の時期に現れる不調と対処法

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生理前や生理中に起こる症状といえば、下腹部痛や腰痛などいわゆる生理痛(月経痛)が思い浮かぶと思います。しかし、生理に伴って起こる症状は、こうした“痛み”だけではありません。どんな症状が現れるのか。今回は生理の時期に起こる代表的な症状と対処法をご紹介していきます。

女性ホルモンの急変動が不調を招く

なぜ生理の時期は不快症状が現れやすくなるのでしょうか。まだはっきりとしたことはわかっていませんが、女性ホルモンが影響しているとみられています。

生理周期や女性の体をコントロールしているのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)プロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモン。生理開始~排卵までの「卵胞期」はエストロゲンが優位に働く一方、排卵~生理前までの「黄体期」になると、プロゲステロンが多量に分泌されるようになります。このホルモンバランスの急激な変動が、女性の体にさまざまな不調をもたらすと考えられています。

痛みだけじゃない!生理に伴う不快症状

下腹部痛や腰痛以外にも、生理の時期に起こる症状はさまざま。ここでは代表的な症状と対処法をご紹介します。

イライラ

女性ホルモンの分泌とともに、自律神経をコントロールしているのが脳の視床下部。女性ホルモンの分泌が乱れると視床下部が混乱してしまい、それに伴って自律神経も乱れて、イライラや情緒不安定が起こりやすくなるといわれています。

対処法

生活習慣を見直して自律神経を整えることが大切です。バランスのよい食生活を心がけ、特に甘いものの食べ過ぎはイライラを強めるので避けること。ストレスや疲れをためないようにし、リラックスして過ごすようにしましょう。

乳房の痛みや張り

生理前のエストロゲンとプロゲステロンの変動によって、乳管やその周りの組織が刺激されて拡張・増殖することで、乳房の痛みや張りが生じます。

対処法

食事面では、脂肪分やカフェインの摂取を減らすこと。また、海藻などに含まれているヨードが症状の緩和に役立つとされています。ストレスや睡眠不足も症状を強める一因ですので注意しましょう。

むくみ

生理前は、体内に水分を蓄える性質を持つプロゲステロンの分泌量が増えるため、体がむくみやすくなります。

対処法

冷えを防いだり、入浴やマッサージなどで血行をよくしてむくみを改善しましょう。むくみの原因となる塩分の摂り過ぎにも注意。

眠気

人の体は体温が下がるときに眠くなり、逆に上がるときに目が覚めるようになっています。プロゲステロンには体温を上げる作用があり、その分泌量が増える黄体期は体温が高い時期です。したがって、夜になっても体温が下がりにくく、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなるため、日中の眠気を引き起こす一因となります。

対処法

質のいい睡眠をとるために、夜更かしをせず、規則正しい生活を心がけること。寝る前のパソコンやスマホの使用も、睡眠を妨げるといわれていますので控えるようにしましょう。

便秘

プロゲステロンには、腸のぜん動運動を低下させる働きがあります。そのため、プロゲステロンの分泌が増える生理前は便秘になりやすいとされています。

対処法

腹筋を鍛えたり、ウォーキングなどの運動をすると、大腸の動きが活発になるため、便秘対策に有効です。食事では野菜など食物繊維の豊富なものを、積極的に食べるようにしてください。

ニキビ・肌あれ

プロゲステロンには皮脂の分泌を促す作用があるため、その分泌量が増える生理前はニキビができやすくなります。また、生理前は肌が敏感になっており、肌あれが起こりやすい時期でもあります。

対処法

油分の摂り過ぎに注意し、肌トラブルを防いでくれるビタミン類が豊富な野菜を中心に、バランスのよい食事を心がけましょう。

症状緩和にはセルフケアが大切

生理の時期に起こるさまざまな不調。「生理だから仕方ない」と諦める前に、セルフケアに取り組んでみましょう。特に食事や睡眠は重要であり、生活習慣の改善によって、ある程度症状を抑えることができます。それでも改善がみられず、生活に支障をきたすほど症状が重い場合は、治療の必要があるかもしれません。早めに婦人科を受診するようにしてください。

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