体の巡りを良くして症状改善!生理痛に効く漢方薬4つ

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生理(月経)の時期になると、お腹や腰の痛みのほかに、イライラやだるさなど不快な症状を感じる…。こうした生理中の痛みや不調の改善に役立つのが漢方です。そこで今回は、漢方における生理痛治療の考え方を押さえつつ、生理痛の治療でよく用いられる漢方薬をご紹介します。

漢方における生理痛の考え方

まず漢方における基本的な概念を理解しておきましょう。

バランスの乱れが不調を招く

漢方には「気・血・水(き・けつ・すい)」という独自の概念があります。「気・血・水」は人の体を構成する要素。この3要素が体内をバランス良く巡っている状態が健康であり、このバランスが崩れるとさまざまな不調や病気を招くと考えます。

… 目に見えないもので、生命活動を維持するためのエネルギー(元気、生命力など)

… 血液やその流れのことを指し、全身の組織や器官に栄養を与えるもの

… 血液以外の体液(汗や尿、リンパ液など)とその働き

生理痛の原因は「血」の滞り

漢方の視点でみると生理痛は、「血」の流れが滞っている「お血」が原因。そこで、お血を解消する「駆お血剤」というグループの漢方薬を用いて、「血」の流れを良くして症状を和らげていきます。また、お血を解消することで痛みだけでなく、むくみやだるさ、イライラなど、「お血」が招く生理中のさまざまな不調の改善も期待できます。

生理痛の治療でよく処方される漢方薬

漢方では症状だけでなく、その人の体質などに合わせて薬を選びます。そのため、同じ生理痛という症状でも、体質によって処方される薬が異なることも。「駆お血剤」にもいくつかの種類があり、なかでも生理痛によく用いられるものが次の4つです。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

やせ型で体力があまりないタイプで、貧血気味で血色が悪く、疲れやすい、冷え性、むくみ、肩こり、頭重感、めまいを感じる人に向きます。当帰芍薬散には血行を良くしたり、水分代謝を整えて余分な水分を排出する働きがあり、冷えを防いで生理痛を改善してくれます。

加味逍遥散(かみしょうようさん)

どちらかといえばあまり体力がないタイプ向き。加味逍遥散には自律神経を整え、イライラなどの症状をしずめたり、血行を促す作用があるため、不眠やイライラ、動悸、めまい、不安感、疲労感など、痛みのほかにも自律神経の症状が目立つ人に向きます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

体格がよく、比較的体力がある人に向いているのが桂枝茯苓丸。血流をスムーズにして、下腹部のうっ血を取り除いたり、冷えを解消することで生理痛を和らげます。また、頭痛や肩こり、のぼせ、めまいなどにも効果的です。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

体力が十分あり、体格もしっかりしているタイプに向きます。桃核承気湯は、血液の流れを良くし、下腹部のうっ血を防いで痛みを抑えるほか、お腹の張りや便秘、のぼせ、肩こりの改善にも役立ちます。そのほか、イライラや不安感など精神症状を和らげる作用もあります。

自己判断は禁物!まずは受診を

漢方薬は病院での処方のほか、ドラッグストアなどでも手に入れることができます。しかし、生理痛の原因が子宮や卵巣の病気である可能性もありますので、まずは婦人科で検査するようにしてください。

漢方は同じ症状でも体質などによって処方される薬が異なりますし、当然効き目も変わってきます。そればかりか、体質に合わない漢方薬を使用すると、副作用が出ることも。漢方薬を服用する場合は、自己判断ではなく、医師の診断を仰ぐことが大切です。

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